「立ち上げる」は新語
立ち上げる。
「会社を立ち上げる」「チームを立ち上げる」「パソコンを立ち上げる」「企画を立ち上げる」など、「立ち上げる」は普段の生活で何げなく使用している言葉。
ところが、「チアゲル」が高い平板の「立ち上げる」か、「チアゲ」が高い中高アクセントの「立ち上げる」なのかどっちだ? ということになり調べてみたら、1998年の「NHK日本語アクセント辞典」に載っていない! 収録まで時間が無いのに……。
似たような言葉で「立ち上がる」はあり、そちらは「チアガル」が高い平板の「立ち上がる」が第1アクセントで、「チアガ」が高い中高アクセントの「立ち上がる」が第2アクセント。
「タ」が高くなる頭高の「立つ」に、「ゲル」が高くなる平板の「上げる」が合わさった複合語、立つ+上げる=「立ち上げる」だと思うので、立つ+上がる=「立ち上がる」同様、平板が第1アクセントで、「チアゲ」が高くなる中高アクセントが第2アクセントだろうと分析。取りあえず、平板で読み、収録を終えました。
立ち上がる、はあるが、立ち上げる、は……
気になっていたため帰宅後に調べたところ、自分の持っている5冊のうち、1985年の三省堂「明解日本語アクセント辞典」、1998年の「NHK日本語発音アクセント辞典」、2005年の「NHKことばのハンドブック第2版」、2010年の「記者ハンドブック第12版」には載っていませんでしたが、2002年の三省堂「新明解日本語アクセント辞典」にはありました。思ったとおり、第1が平板、第2が中高アクセントでした。
そして、さらにネットで調べてみたところ、「立ち上げる」は新語だということが判明。辞書への初出は、出版社・辞典名が不明ながらも1986年(昭和61年)。その後、少し間が空き、主な見出しとして「機械のシステムを稼動できる状態にする」と掲載されたのが1994年の「岩波国語辞典」第5版。そして1998年には「広辞苑」第5版にも掲載されるようになったようです。パソコンの起動以外の意味、「新しい企画、作業などをはじめる」という説明が追加されたのは、2000年に発行された小学館の「日本国語大辞典」第2版からだそうです。
工業系などの一部の人たちに使われていた言葉がコンピュータの普及により、コンピュータを起動させる=立ち上げるとして一気に広まり、その後、ビジネス用語にも転化した平成の新語だと推測されます。
自分にとっては約20年前という、比較的、最近になってできた新しい言葉のはずなのに、そのような意識が全く無かったということは、似たような「立ち上がる」という言葉が昔からあったからだろうか?

コメント
新語を外来生物種と同様に毛嫌いしている人間です。
TVはよく見ますが、気になる言葉は毎日のようにでてきます。みなさんのんきですよね。画像と音声とで日本中に発信している職業のみなさんが。
イヤな言い方でごめんなさい。でも、ほんとですよ。
なぜ、新語が嫌いかというと、新語を使いだすと同時に、今までそれぞれの場面にふさわしい言葉があったのに、それを一気に捨ててしまうからです。お気づきですよね。
創業も 開設も なんでもかんでも「立ちあ・・」ですませる。日本人の濃やかな感性・精神はマスコミによって破壊されようとしています。
確かに、その通りですね。マスコミばかりのせいではないと思いますが(^^;。
なるべく今までの言葉、そしてアクセントを使うよう努力します!