検事の本懐/柚月裕子 宝島社文庫
検事の本懐/柚月裕子
2012/11/20初版、宝島社文庫(2011/11単行本に加筆修正)
「骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が見事に融合した連作短編集。県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める「樹を見る」。東京地検特捜部を舞台に“検察の正義”と“己の信義”の狭間でもがく「拳を握る」。横領弁護士の汚名を着てまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く「本懐を知る」など、全五話。第25回山本周五郎賞ノミネート作品、待望の文庫化」。
検事の死命
これの前に読んだ「検事の死命」が面白かったので、前作にあたるこの本を購入。この「検事の本懐」は「検事の死命」の3年前に書かれたものだが、あとに出版された「検事の死命」を先に読んでも楽しめた。というのも、短編なので1話完結ながらも、ちょこっとだけリンクするという手法を凝らし、どちらを先に読んでも違った視点で楽しめるのだ。
ところで、巻末の池上冬樹さんの解説によると、柚月裕子さんは岩手県出身の山形県在住。2011年3月11日に起きた東日本大震災では、宮古の実家とともに両親が津波に流され……。自身3冊目となる、この「検事の本懐」の出版は半年以上、遅れたらしい。

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