当世 商売往来/別役実 朝日文庫
当世 商売往来/別役実
1999/5/31初版、朝日文庫
(1988年の「当世・商売往来」を底本とし、「保険金取得業」「宗教家」を書き下ろしたもの)
「どんな文明の、どんな知恵が、その商売を商売たらしめたのか――30に及ぶ商売について、大真面目に分析する。もっともだが、どこかナンセンス。ふと、込み上げる笑いの中に現代社会のさまざまな側面が見えてくる。好奇心をくすぐる発見の書。≪解説=青井陽治≫
世の中は商売であふれている」。
不条理
日本を代表する劇作家の1人で、不条理な世界を扱うことを得意とし、「不条理演劇の第一人者」と呼ばれる別役実さん。劇作家である別役実さんが、得意の不条理、そしてブラックユーモアで、世の中にあふれる数々の商売を独自の視点で書きつづったエッセイ(?)集。
僕が演技の勉強を始めた、およそ四半世紀ほど前、授業のテキストとして使われる戯曲のほとんどが、不条理で面白い短編の別役実さんか、シリアスな長編の清水邦夫さんだった。今はどうなんだろう? あれから30年近く経つんだから、最近の劇作家の戯曲を使っているんだろうなあ。現在、専門学校の講師もしているんだけれども、受け持っているのは「発声・滑舌」と「ナレーション」。なので、よく知らないのだ(^^;。ちょっと学校に聞いてみようっと。
それはさておき、この「当世 商売往来」、冒頭からいきなり「総会屋」を取り上げ、ほかに「保険金取得業」「ダフ屋」「示談屋」「やくざ」「宗教家」「緑の小母さん」「当り屋」「いたこ」など、ひと癖もふた癖もありそうな職業がずらっと30業種。別役実さんのウイットに富んだ文章と相まって、思わずニヤリとしてしまう(笑)。これらの職業1つだけで、コメディタッチのストーリーが1本作れそうだ(^^)。

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