20年ぶりの舞台となった「夜曲~放火魔ツトムの優しい夜~」。
この作品は、今や名バイプレーヤーとして映画やテレビで大活躍する六角精児さんが所属する「劇団扉座」が、その名前に改名する前の「善人会議」時代、1986年の戯曲。主催者であり劇作家でもある演出家・横内謙介さんの名を世に知らしめた作品です。
扉座の再演はもちろん、今でも数多くの劇団、俳優養成機関、演劇専門学校などで上演されている人気作品。ちなみに声関係では、千葉繁さん主催の劇団「バーストマン」でも上演されたことがある。ちなみに扉座は、神谷明さんが善人会議時代から後援会長をされている(いた?)はず。
さてさて、プロになって20年、台本を持ちながら演じる朗読劇はあるけれど、台詞を頭に叩き込み、稽古に時間を費やし、カンペ(カンニングペーパー)やプロンプ(プロンプター/陰で台詞を教えること)に頼らず、自分の頭、そして体に刻み付けた記憶のみで演じる舞台は、デビューする前に演じたきりで実に20年ぶり。普段は原稿を前にしたナレーション収録、そして台本片手にアテレコをしているため、口から出る言葉を覚える必要は一切無し! 手を抜いている気持ちは更々無いけれど、たまに映画やテレビ、ビデオなどの顔出し俳優仕事、レポーター、イベントの司会などをすると、いつもいかに楽な仕事をしているか痛感させられる!!
デビューから数年は、そういった台詞を覚える仕事もそこそこあったので、そんな思いを巡らせることは無かったのに……。まぁ、初めて声の仕事をしたときは待ち時間も無く、「顔出しと違い、なんて割のいい仕事なんだ! これでこれだけのギャラをもらえるなんて!?」とは思ったが(^^;。そこで最低でも年に1本は台詞を覚えるような仕事をしなければと常々思っているのだ。
そんな7月下旬、「テニスの王子様」で仲良くなり、8年来の付き合いになる”ぐろさん”こと大黒和広さんから「今度のうち(亜路企画)の公演にゲスト出演していただけませんか?」と連絡が。「とりあえず台本を読んでから」ということで、当日は数年ぶりに田坂秀樹さんとも会い、楽しい飲み会。
さて、家に帰り台本にサラ~ッと目を通すと、自分の出るシーンだけが浮いている。まるで、稽古時間を多く取れない出演者のために書かれた付け足しのような……。
しかし読み込んで行くと、主役のツトムと僕が演じるゴロウだけが、現代に生きているキャラクターということに気付く。しかも、その短いやり取りでツトムの変化を観ている側に分からせる重要なシーンであることも。「1回目で気付けよバカ!」と思ったが、気付かなかったのだから仕方が無い(笑)。
笑いあり、涙あり、アクションありと、いかにも舞台映えする戯曲。「これは受けない手は無い!」ということで、事務所にNGを入れ、ぐろさんに承諾の連絡をすぐに入れたのは言うまでも無い。
つづく

コメント
舞台、お疲れ様でした。
20年もブランクがあるとは
思えない演技でしたよ。
「あ、この世界には異質な
普通の人(良い意味で)が来た」
と思いました。(笑)
調べてみたところ、
本当にいろんな劇団さんで
演じられているのですね。
私は最後のほうの、
黒百合の気迫に圧倒されました。
みなさん、役が合っていて
素晴らしかったです。
今度は、織田さんと大黒さんが
絡む舞台が観たいな、なんて思いました。
またの機会を楽しみにしています。
あと20年後でもいいですよ。(笑)
お褒めいただき、ありがとうございます。まぁ、ブランクとはいえ、普段していることに近いですからね。さて、ぐろさんとの絡みですが、前日にいらしたら観ることができたんですよ~(^^)。偶然いらした方は、すごく喜んでいました。20年、いや数年以内に実現したいものです。