蜘蛛膜下出血(くも膜下出血)

蜘蛛膜下出血(くも膜下出血)

脳と脊髄を覆う3層の髄膜のうち、外から2層目にあたる髄膜が蜘蛛膜(くも膜)。小柱という線維の束が無数に伸び、その入り組んだ様子が「蜘蛛の巣」に似ていることから「蜘蛛膜(くも膜)」と呼ばれるようになったとか。

で、その2層目である「くも膜」と3層目の「軟膜」の間のことを“くも膜の下の空間”ということで「クモ膜下腔」と呼び、そこに出血(原因の約80%が脳動脈瘤の破裂)が生じて脳脊髄液の中に血液が混入した状態を「くも膜下出血」と言います。全脳卒中の約8%を占め、突然死の6.6%がこれにあたると言われ、最初の出血で1/3、4週間以内では約半数、10年以内では60~80%が死亡。仮に命を取り留めたとしても後遺症の残る例が多く、完全に治癒する確率は約2割という非常に恐ろしい病気です。

さて、突然死としてよく耳にする「くも膜下出血」ですが、上記のような理由により、しばしばニュースにも登場します。で、僕の読むニュース原稿ではなかったのですが、とある訃報ニュースに登場し、その際に担当ナレーターが「くもまくかしゅっけつ」と録り直しをされたのです。

無声化、あるいは促音化

担当ナレーターが最初にどう読んだかというと「くもまっかしゅっけつ」。そう、「くもまくか」の4番目の音である「く」をはっきりと読まず、促音、つまり小さい“つ”である「っ」と無声化して読んだのです。

確かに「くも膜下出血」の正式な読み方は「くもまくかしゅっけつ」。僕もそう発音します。しかし、日本語の複合語形成の法則として、「キ」、「ク」で終わる語と「カ行音」で始まる語が結合する場合、前の語の末尾である「キ」、「ク」の母音が無声化する、あるいは促音化するというのがあるのです。だから「くもまっかしゅっけつ」と読んでも間違いではないはず。

それを証明してくれたのが、最近のアクセント辞典。古い版には掲載されていないのですが、最新版には「くも膜下出血」が掲載されており、読みは「クモマッカシュッケツ」(アクセントは“モマッカシュ”の部分が高め)のみ。だから、間違いではないのですが……。ディレクターのこだわりなのか、勉強不足なのか。それとも、僕の知らないところで「くも膜下出血」の正式な読み方が決められてしまったのでしょうか?

この場合の2パターンある読み方の例を揚げておきますと、

音楽+家=音楽家(オンガクカ、オンガッカ)
音楽+会=音楽会(オンガクカイ、オンガッカイ)
掻く+切る=掻き切る(カキキル、カッキル)
三角+形=三角形(サンカクケイ、サンカッケー。他の数も同様)
水族+館=水族館(スイゾクカン、スイゾッカン)
咳+込む=咳込む(セキコム、セッコム)
旅客+機=旅客機(リョカクキ、リョカッキ)

洗濯機もそうだと思っていたのに、アクセント辞典には「センタクキ」しか載っていない。僕の記憶違いだろうか?

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