ビート-警視庁強行犯係・樋口顕-/今野敏 新潮文庫

ビート-警視庁強行犯係・樋口顕-/今野敏 新潮文庫


ビート-警視庁強行犯係・樋口顕-/今野敏
2008/5/1初版、新潮文庫(2000/11幻冬舎より単行本、2005/3幻冬舎文庫)

警視庁捜査二課・島崎洋平は震えていた。自分と長男を脅していた銀行員の富岡を殺したのは、次男の英次ではないか、という疑惑を抱いたからだ。ダンスに熱中し、家族と折り合いの悪い息子ではあったが、富岡と接触していたのは事実だ。捜査本部で共にこの事件を追っていた樋口顕は、やがて島崎の覗く深淵に気付く。捜査官と家庭人の狭間で苦悩する男たちを描いた、本格警察小説」。

警察小説

警視庁強行犯係・樋口顕シリーズの第3弾。佐々木蔵之介さん主演のテレビドラマ「ハンチョウ」シリーズの原作である、同じ今野敏作品の「安積班」シリーズ同様、警察小説というジャンルの作品で、捜査を主軸としたミステリ物ではなく人間ドラマの機微を描いた感動作。しかも、同じハンチョウである安積班の主人公・安積警部補同様、今作の主人公・樋口警部も、上司、同僚、部下といった周りの目を非常に気にする小心者的な一面を持っている。本人が自分を過小評価しているだけに過ぎないのですが、とにかく一般的な中間管理職像をことさら強調する人物評価がモノローグで語られる。

似たような性格と立場の2人ながらも、安積班は上司や同僚、部下のキャラクターが積極的に描かれ、樋口顕にはそれがなく、うまく棲み分けがなされている。同じ警察小説である堂場瞬一作品のように、作品の垣根を越えてキャラクターたちがコラボレーションしてくれないかと、ひそかに願っている(^^)。

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