プライド/真山仁 新潮文庫

プライド/真山仁 新潮文庫

プライド/真山仁
2012/9/1初版、新潮文庫(2010/3単行本に、掌編「歴史的瞬間」を加えて文庫化)

確信犯的に期限切れ食材を使った菓子職人の胸中に迫る表題作、変人官僚が事業仕分け人と対決する「一俵の重み」。逆境を支えるのがプライドなら、人を狂わせるのもまたプライド。現代を生き抜くために、絶対に譲れないものは何か。社会問題の深層に潜む、現場の人々の一筋縄ではいかない思いに光を当て、深層心理まで描きこんだ極上フィクション六編と掌編「歴史的瞬間」を収録。
『ハゲタカ』『マグマ』を描いた著者の傑作社会派小説集。
仕事の責任とは? 現代社会を行き抜く者の矜持とは!
胸の内で強く思い、黙って行動している時、“誇り”ほど人を強くする情熱はない。ところが、ひとたびこの言葉を口にすると、急に怪しくなる。(文庫版あとがきより)」。

ハゲタカ

NHKでテレビドラマ化され、あまりの人気に映画化もされた「ハゲタカ」の原作者・真山仁氏。社会派経済小説として一斉を風靡した「ハゲタカ」が気になって、いつか読もうと思っていたのだが、今回、真山仁氏の短編小説集「プライド」を手に取ってみた。この「プライド」が、僕が読む初真山仁作品だ。

6つの短編と、3ページから成る1つの掌編で構成された作品集ながら、実に奥が深い。短編6作は、一応の結末を迎えているのだが、ほとんどがその先が気になる終わり方で、非常に消化不良気味。もう、そのあとのことが気になって気になって仕方がない。しかし、農業者戸別所得補償制度、心臓移植、養蚕、賞味期限偽装問題、中国問題、養蜂と農薬の関係と、とにかく題材が良いため、そのような終わり方でも納得はできてしまう。欲を言えば、どれも長編できちんと描き切って欲しい。

と思いながら読了し、あとがきを読むと、この「プライド」の各短編に出てきたキャラクター何名かが登場する後日譚のような「沈黙の代償」という作品が連載されているようだ。調べてみたら、大幅な加筆がなされ、さらに「黙示」というタイトルに改題され、すでに今年、文庫化もされていた。早速、僕の読みたい本リストに加えよう(^^)。

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