漫画貧乏/佐藤秀峰 PHP
漫画貧乏/佐藤秀峰
2012/5/1初版、PHP
「出版業界関係者必読!! 10年後も漫画はあるのだろうか!? 出口の見えない出版不況、台頭する新メディア……描いても描いても、原稿料では赤字続き……『海猿』『ブラよろ』の作者・佐藤秀峰の漫画の未来に向けた、孤独な挑戦と実験の記録!!
売れない、食えない、儲からない!?
「連載貧乏」という恐ろしい言葉があります。初めての週刊連載。張り切って描いたはいいけど、人気が出ず半年で打ち切り。あとに残ったのは借金だけ…こんな状況を指す言葉です。才能があるのに多くの漫画家が消えていってしまう。そんな夢と現実のギャップ、漫画業界の体質的な“ひずみ”に立ち向かう!!」。
妻夫木聡主演でテレビドラマ化された「ブラックジャックによろしく」、国分太一主演でNHKでドラマ化され、伊藤英明主演でフジテレビでドラマ化&映画化もされた「海猿」の原作者・佐藤秀峰氏による、漫画家の現状、実情を赤裸々につづった作品。
ベストセラー作家でも
二次使用、原稿の改変などで出版社である講談社ともめて休載になった「ブラックジャックによろしく」が、講談社の「モーニング」から小学館の「ビッグコミックスピリッツ」で連載を再開したり、信頼関係の問題で確執が広がったフジテレビに絶縁宣言をしたりで、僕にはあまりいい印象のない佐藤秀峰氏。氏の漫画を読んだことがなかったことと、それらのもめごとに興味がなかったので知らなかったが、この本を読んで「そんなことがあったのか! こんな目に遭ったら俺も立ち上がるぞ!!」と納得。
しかし、多くの新人漫画家が雑誌連載の原稿料では赤字だろうと思っていたが、売れっ子作家でさえアシスタントを雇えば、単行本が売れて印税が入らなければ赤字だったとは!? 多くのデータを使用し、いかに売れない漫画家の生活が苦しいかを、この本はまざまざと見せつけてくれた。そして、出版社の編集者が、いかに理不尽かも……。小説の世界も似たようなものなのだろうか? でも、芸術やスポーツをはじめ、自分の夢をかなえる、追い求めるということは、こういうことが多々あるもので……。難しい問題だ。
編集&ライターと声優、二足のわらじ
それはさておき、学生時代から声の仕事と二足のわらじで出版編集にも携わり、現在編集&ライター業は開店休業中の僕ですが、漫画家さんとは接点がなかったために全くもって知らないことばかりでした。漫画家のほとんどの人が泣き寝入りなんだろうなぁ。でも違う意味で、役者の世界も似たようなもんか(笑)。
というわけで、「ブラックジャックによろしく」全13巻と「新ブラックジャックによろしく」の1巻が、現在、電子書籍として無料公開中のために読んでみた。いや~、実に熱くて感動するいい作品だ。大ヒットした理由が分かる。おかげで、「新ブラックジャックによろしく」の2巻以降が非常に気になってしまった! この「漫画貧乏」も電子書籍で無料公開中なので、ぜひとも多くの人の目に触れてほしいものだ。

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