タバックスタジオ、お世話になりました!
アオイスタジオ、アバコスタジオ、シネビーム・スタジオ、新坂スタジオ、整音スタジオ、ニュージャパンスタジオ、番町スタジオ、etc。
上記は、僕が小さいころからアニメや洋画の吹き替えテロップ、アニメ雑誌の特集記事やムック本のデータで見知っていた老舗スタジオの数々。もう存在しないスタジオが半分以上ある。
それに加え、あと少しで歴史に幕を下ろす「タバック」がある。JR総武線は大久保駅、徒歩5分ほどのところにあり、東映アニメーション作品のほとんどが、このスタジオで収録されている。
タバックのスタッフさんからではなく、スタジオを利用している役者から聞いた話なので定かではないが(笑)、そのタバックスタジオが入っているビルの老朽化、つまり耐震性の問題で、そのビルから退去するのだ。事の起こりは、2011年の東日本大震災。「次に、また同じような規模の地震が来たら危険」と判断したらしい。
タバックの入っている佐藤ビルは、僕の予想では昭和40年代築と思われたが、調べたら1962年(昭和37年)で、今年で53年。これじゃあ、確かに耐震性に不安ありだ。そこで、あと少しで整理を終えて練馬区は大泉の本社へ戻るタバックの大久保スタジオに別れを告げてきた。
エンジェル伝説
タバックはもともと東映動画(現・東映アニメーション)の録音・編集部門が独立する形で、1973年に作られた録音スタジオを擁する音響制作会社。東映のグループ会社なので、扱う作品の多くは東映作品。しかし、貸しスタジオでもあるので、もちろん東映以外の作品も収録しています。ですが、僕にはなかなか縁がありませんでした。
というのも、フリーでナレーションをメインに様々な活動をしていた僕は、アニメーション関係は今は無きオムニバスプロモーションという、ニュージャパンスタジオ、東京テレビセンター、そして自社スタジオを主に利用していた音響制作会社1社しかお付き合いがなかったからです。
ところが、デビューから5年目、当時はフリーの音響監督だった三間雅文さんと知り合い、1996年の東映ビデオ「エンジェル伝説」でタバックデビュー! 憧れのタバックスタジオに足を一歩踏み入れ、「ここがタバック……」と、それ以前に訪れた憧れだったスタジオ、アオイ、アバコ、ニュージャパン同様、感激したことは言うまでもありません(^^)。
その後、営業をかけてつながった東映動画の「キューティーハニーF」「も~っと!おジャ魔女ドレミ」、オムニバスプロモーション作品で仲良くなったスタジオディーンさんの紹介でつながりができたダックスインターナショナル(現・ダックスプロダクション)の「日本一の男の魂」「六門天外モンコレナイト」「RAVE」「MOUSE」「うえきの法則」がタバックスタジオで収録。
そして2005年に、今の所属事務所、青二プロダクションにお世話になってからは、「地獄少女」「ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU」「貧乏姉妹物語」「ゲゲゲの鬼太郎」「はたらキッズ マイハム組」「怪談レストラン」「ドラゴンボール改」「ねぎぼうずのあさたろう」「ONE PIECE」と東映アニメーション作品が続き、アニメ出演の少ない僕の中では、タバックスタジオがアニメ関係収録で一番お世話になっているスタジオに!!
ここ2年ほどは、「ONE PIECE」に3回に2回は出演し、毎週のようにタバックへ通っていただけに、その別れに寂しさもひとしお(;;)。初めてタバックスタジオを訪れてから20年。本当にお世話になりました。そして、40数年のスタジオ業務、お疲れ様でしたm(__)m。
タバック(TAVAC)の由来は「Toei Audio and Visual Art Center」の頭文字から。今後、「録音スタジオ タバック」だったテロップ表記は消え、「音響製作 タバック」のみになるのだろうか?
「録音スタジオ タバック」の復活、期待しています!
【追記】
タバックが入っていた佐藤ビルの屋上は、テレビドラマ「太陽にほえろ!」の七曲署屋上のロケ地でもあったそうです。ちなみに七曲署の外観は、初期は渋谷区神南の旧渋谷区役所、のちに世田谷区上用賀にあった海上自衛隊上用賀基地内の東京音楽隊の施設になったとか。また、僕の出身大学である駒澤大学の付属高校も上用賀にあり、校舎が七曲署として撮影されていたらしい。駒澤大学高等学校出身者談。
【追記2】
2023年1月から解体工事が始まったようです。

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