生存者ゼロ/安生正 宝島社文庫
生存者ゼロ/安生正
2014/2/20初版、宝島社文庫(2013/1、単行本に加筆修正)
「北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きていた――。未曾有の危機に立ち向かう! 壮大なスケールで未知の恐怖との闘いを描く、第11回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
全員死亡! 死因不明!
「水曜どうでしょう」出演・企画 鈴井貴之さん絶賛!!
「面白くて朝4時過ぎまで読みふけってしまいました。誰か映画にして!」
北海道沖に浮かぶ石油掘削基地を襲ったのは、テロ攻撃か、謎の病原菌か、それとも……。未知の恐怖が日本を襲う!」
続編の布石?
2012年、第11回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞して作家となった安生正さんは、京都大学大学院工学研究科を卒業し、建設会社に勤務する二足のわらじ作家。
着眼点や発想がものすごく、病原菌による感染症なのか生物兵器によるテロなのか、それとも、それらとも違うのか!? と、ハラハラドキドキ。「このミステリーがすごい!」大賞受賞作なので、ミステリーと思って読み進めていたら、パニックサスペンス小説でした。まあ、広い意味ではミステリーに入るのかもしれませんが、純粋なミステリーでは決して無い。
それにしても、惜しむらくは作者が新人作家であるということ。非常に素晴らしいプロットながら、筆力がそれに追い付いていない。ものすごくいい作品なのに、文章が硬かったりくどかったり、無くても通用する記述がそこここにあったりで、読みながら「もっと面白くできるな」という客観的感情が渦を巻き、ほとんど感情移入出来ずに読み終わってしまった。
それにしても、よく分からないのが「パウロの黙示録」や登場人物3人の脳に語りかける神の存在。これらは、一体……? それらについての詳しい説明も解答も無く、取りようによっては続編があるような感じで終わってしまった。う~ん、なんか消化不良だ。
ちなみに「パウロの黙示録」って聞いたことが無かったので検索してみたら、これというものがヒットしない……。実際に存在する黙示録らしいが、作中でそれを書いたとされる内堀作右衛門という実在の人物との関連性が見当たらない。安生正さんの創作なのだろうか? だとしたら、余計に何を言いたいのかが分からない。やはり、続編の布石なのかもしれない。

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