蓮花の契り 出世花/高田郁 ハルキ文庫

蓮花の契り 出世花/高田郁 ハルキ文庫

蓮花の契り 出世花/高田郁
2015/6/18初版、ハルキ文庫(書下ろし)

下落合で弔いを専門とする墓寺、青泉寺。お縁は「三昧聖(さんまいひじり)」としてその湯灌場に立ち、死者の無念や心残りを取り除くように、優しい手で亡骸を洗い清める。そんな三昧聖の湯灌を望む者は多く、夢中で働くうちに、お縁は二十二歳になっていた。だが、文化三年から翌年にかけて、江戸の街は大きな不幸に見舞われ、それに伴い、お縁にまつわるひとびと、そしてお縁自身の運命の歯車が狂い始める。実母お香との真の和解はあるのか、そして正念との関係に新たな展開はあるのか。お縁にとっての真の幸せとは何か。生きることの意味を問う物語、堂々の完結」。

みをつくし料理帖

僕の大好きな「みをつくし料理帖」シリーズの作者、高田郁先生の小説デビュー作が「出世花」。そして、その続編にして完結が今作の「蓮花の契り 出世花」。実に7年ぶりの続編だ。数年前に「出世花」を読み、まさか、その続編が出るとは思いもしなかった。

湯灌(ゆかん)とは、2008年に公開された映画「おくりびと」で有名になった納棺師のようなもので、作中の主人公・お縁は納棺師以外に検視官のような働きも見せ、事件を解決することも。しかし、メインは推理ではなく、あくまでも人の生と死に真っすぐ向き合ったもの。

常に自分の生まれた意味、これからどう生きていけばいいのかという主人公の葛藤に加え、病気や事故などで亡くなった死者の弔いとが絡まり合い、やや暗く物悲しいストーリー。明るい作品が好きな人には合わないが、静かな感動を得たい人にはお薦めです。

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