インタービュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実/真梨幸子 徳間文庫
インタービュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実/真梨幸子
2012/11/15初版、徳間文庫(書下ろし)
「一本の電話に、月刊グローブ編集部は騒然となった。男女五人を凄絶なリンチの果てに殺した罪で起訴された下田健太。その母である下田茂子が独占取材に応じるというのだ。茂子は稀代の殺人鬼として死刑になったフジコの育ての親でもあった。茂子のもとに向かう取材者たちを待ち受けていたものは……。50万部突破のベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』を超える衝撃と戦慄のラストシーン!」。
前作、「殺人鬼フジコの衝動」から4年、その続編とも言える「インタービュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」が文庫書下ろしで上梓。といっても、その間に「インタービュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」へとつながる「私は、フジコ」という前作と2冊セットの限定短篇が出ているのですが(^^;。
私は、フジコ
今作「インタービュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」は前作「殺人鬼フジコの衝動」と違い、主人公のモノローグで進行することもなく、地の文とセリフ、たまにキャラクターのモノローグといった至って普通の小説に近い作り。なので、前作のようなイライラや悶々といった感情を抱くことが少なく、淡々と読み進められた。といっても、そこは前作の続編。やはりこのお話も深い闇しかなくて、読むごとに心が蝕まれていく。
前作は連続殺人鬼の話で実際に起こったいろいろな事件に発想を得て書かれていたが、今作は2002年に起きた「北九州監禁殺人事件」を例に取り、作中で犯人に「僕だったら、もっとうまくやる」と、この事件と同じようにマインドコントロールを施し、監禁・殺人を起こさせている。
マインドコントロールのくだりなど、多少、強引な面は否めませんが、今作はこれだけで1つの作品としての体裁を保っています。とは言っても、元々は前作の補完的な作品であり、前作の謎やイマイチ不明だったところ、一体どっちなんだろう? という思いを、余すところなく補完してくれているので、前作と続けて読むと面白さは倍増されます。しかし同時に前作と今作の比較もしてしまい、僕には前作の補完として強引に作られた感が強く、今作の出来に物足りなさを感じてしまいました。
と、ちょっと否定的な意見を述べてしまいましたが、この小説は面白い! お薦めです(^^)。「私は、フジコ」、読みたいなあ。そして、真梨幸子さんのほかの作品も読んでみなければ。

コメント