ひらひら/池永陽 集英社文庫

ひらひら/池永陽 集英社文庫

ひらひら/池永陽
2004/1/25初版、集英社文庫(2001/11、集英社より単行本)

常巳22歳、腕っぷしが弱く、要領も悪い、お人好しのチンピラヤクザ。器量は悪いが、心やさしい年上の女・順子と同棲しながら、シンナー密売とパチンコでしのぐ毎日。だが、伝説の博徒・腕斬り万治さんの出所を機に、本物の男になろうと心に決める。仁義にあつく、一本筋を通す仁侠道を歩むため、常巳の悪戦苦闘が始まった――。町の片隅で必死に生きる落ちこぼれ達の姿が切なく胸に染みる物語」。

不器用な男

今作の原作者、池永陽さんは、Wikiによるとグラフィックデザイナー、コピーライターなどを経て作家になった方らしい。さらに、1998年に「走るジイサン」で小説すばる新人賞、2006年に「雲を斬る」で中山義秀文学賞を受賞しているらしい。

内容はというと、任侠に憧れるものの、稼ぎも腕っぷしもダメダメなやさし過ぎる中途半端な度胸無しチンピラヤクザが、あることをきっかけに真の男になると決意を抱く物語。といっても話は、その決意を抱いたところでおしまい。暴力団に身を置きながら、自分の信じる昔ながらの任侠道=ヤクザとしてのその後の姿は描かれておらず、僕の感想としては尻すぼみ感の強い作品だった。

取りようによっては、主人公の生き方を肯定するようにも解釈ができるので、極論すれば、暴力団肯定小説と思われても致し方がない内容。作者としては、そこまでの考えは全く無く、ただ単に一人の不器用な男を描いてみたら、ヤクザだったのだろう。

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