ひまわりの祝祭/藤原伊織 講談社文庫
ひまわりの祝祭/藤原伊織
2000/6/15初版、講談社文庫
「自殺した妻は妊娠を隠していた。何年か経ち彼女にそっくりな女と出会った秋山だが、突然まわりが騒々しくなる。ヤクザ、闇の大物、昔の会社のスポンサー筋などの影がちらつく中、キーワードはゴッホの「ひまわり」だと気づくが……。名作『テロリストのパラソル』をしのぐ、ハードボイルド・ミステリーの傑作長編!」。
「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞、直木三十五賞のダブル受賞を史上初めて成し遂げた藤原伊織さん。その藤原伊織さんがダブル受賞後初の作品として満を持して上梓した作品が、今作「ひまわりの祝祭」。7点制作され6点が現存しているフィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」に、実は8点目が存在した! というハードボイルドミステリー。
テロリストのパラソル
「テロリストのパラソル」を動的なハードボイルドとすると、こちら「ひまわりの祝祭」は静的なハードボイルド。レオナルド・ダ・ヴィンチの“ダ・ヴィンチ”のように、一体化した苗字ということで“ファン・ゴッホ”と呼ばれるが、日本では間違った呼び名、通称“ゴッホ”で通るオランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。そのゴッホの膨大な資料を、かなりの時間と手間をかけて調べたことは分かるが、あまりにも静的過ぎるのか、油絵という芸術をテーマに扱ったからなのか、はたまた、主人公の屈折した性格によるくどい語り口のせいなのか、いまいち楽しめなかった(;_;)。
しかし、ゴッホが好きな人、または絵画などの美術品に興味がある人は、面白く読めるのでは無いだろうか。美術館を訪れ、たまに絵画鑑賞などをする程度の僕には楽しめなかったが、ゴッホの人となりやゴッホの作品であるひまわり、そして油絵などの芸術作品については非常に勉強になった。もうちょっとエンターテインメイト性があったら、「テロリストのパラソル」のように大絶賛したかもしれない(^^)。

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