劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方」/浅利慶太 文春新書

劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方」/浅利慶太 文春新書

劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方」/浅利慶太
2013/7/20初版、文春新書

なぜ劇団四季のセリフは美しく聞き取りやすいのか――。秘密は、創立60年の歴史が生んだ独自の「母音法」「呼吸法」「フレージング法」というメソッドにある。言葉が明瞭に伝わることで、第一印象がよくなる。そして健康法としても使える画期的な方法を初公開」。

日本を代表するミュージカル劇団「劇団四季」。その創立者の1人にして前代表の浅利慶太氏が著した、セリフを明瞭に話すための劇団四季の訓練メソッド「母音法」「呼吸法」「フレージング法」を紹介した1冊。

劇団四季を観劇したことがないのでなんとも言えないのですが、劇団四季のセリフ回しは「観客に聞き取りやすい」ということを第一に考えられ、「感情を表現するためにオーバーアクションで聞き取りにくい」セリフ回しである新劇に対抗すべく考案され、演劇評論家には「四季節」と揶揄(やゆ)されているのだとか。確かに、劇団四季を観た人の話を聞くと、「歌と踊りはすごいが、芝居がね……」とよく耳にする。

母音法

さて、この「劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方」」だが、全編を通してメソッドが紹介されているのかと思いきや、それはページ数にして半分。残りは、浅利慶太氏による日本語の乱れや、劇団四季の歴史紹介、そして、劇団四季が各地の学校で開催している「美しい日本語の話し方教室」の台本。もっと詳細に、四季のメソッドについて書いてほしかった。これでは触りだけで、あまりにも短い……。

ちなみに、この本で紹介されているメソッドのうち、呼吸法は普通の腹式呼吸であり、特にこれといって四季オリジナルさは感じられない。オリジナルなのは「フレージング法」という文章の解析方法。

で、悩むのが「母音法」。世界的な指揮者、小澤征爾氏との会話からヒントを得たらしいのですが、はたしていつごろ生まれたのか? 僕がこの「母音法」を知ったのは、役者の勉強を始めた26年前の1989年。「母音法」という名称すらなく、「日本語の基本は母音だから、言いにくかったら母音だけで練習すると滑舌が改善するよ」と言われた程度。それ以降もよく耳にし、演劇関係者の間では周知のこと。この「母音法」って本当に劇団四季発祥なのでしょうか? あまりにも単純な練習方法なので、現在、標準語として使われている日本語の共通語ができた明治時代に、言語学者とかが提唱していてもおかしくないと思うのですが?

コメント

タイトルとURLをコピーしました