メイン・ディッシュ/北森鴻 集英社文庫

メイン・ディッシュ/北森鴻 集英社文庫

メイン・ディッシュ/北森鴻
2002/3/25初版、集英社文庫(1999/3 単行本)

小劇団「紅神楽」を主宰する女優・紅林ユリエの恋人で同居人のミケさんは料理の達人にして名探偵。どんなに難しい事件でも、とびきりの料理を作りながら、見事に解決してくれる。でも、そんなミケさん自身にも、誰にも明かせない秘密が……。ユーモラスで、ちょっとビターなミステリ連作集。文庫化に際して、新たに特別短編を加筆。さらに美味しくなった、スペシャル・メニューを召し上がれ」。

1つの短編作品として完成しているにもかかわらず、読み進めると、それが1つの大きなストーリーに集約される連作短編。その連作短編をミステリというジャンルで数多く成立させている故・北森鴻氏。僕が初めて北森作品に触れたのは2~3年前に読んだ「顔のない男」。これが意外に面白く、本のプロフィールに目をやると8歳上で、同じ駒澤大学出身ということが判明。それで親近感を持ち、次に出会ったのが、この「メイン・ディッシュ」。劇団を主な舞台に展開する推理小説もので、役者の端くれでもある自分にぴったりの1冊! ということで購入した作品だ。これが「顔のない男」以上に面白く、故あって再読となった(^^;。

小学館の雑誌編集

関係者から話を聞くだけで実際に現場へ足を運ぶことも無く、頭の中だけで推理を展開する安楽椅子探偵物が小学生のころから好きだった僕には実にドンピシャ!! 至る所に張られた伏線も終盤に向けてドンドン解明されていき、北森氏のプロット、発想力、そして何より構成力に舌を巻くばかり。さらに、出てくる料理の数々が実に食指をそそる。自分の料理作りのヒントにもなったりして、実に楽しく2度目の読了をした。

そんなこんなで、「この人はすごい! どんな作品があるんだろう?」と調べたところ、2010年に48歳の若さでお亡くなりになっていた……。あぁ、もっと早く北森作品に会いたかった。

ちなみに北森さんは大学卒業後、編集プロダクションに勤め、小学館の雑誌編集を担当されていたとか。かくいう僕も、今はお声がかからないので開店休業状態ですが、大学4年の1992年から2004年まで雑誌編集業で小学館にも出入りしていた身。勝手ながら北森さんが作家として一本立ちされたのが1995~1999年と仮定し、その間も小学館で雑誌編集をされていたとしたら、僕は小学館のビル内ですれ違っていたのかも!?

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